2023年8月3日放送 カンブリア宮殿「住民の意識を変えて復活 新時代の地方再生術!」より
かつては空き店舗だらけで一度は廃れた熱海銀座商店街が今賑わっています。
今では人気温泉地ランキング1位になる熱海、20代や30代の若い世代に人気になっています。
「すたれた温泉地が驚きの大変貌、熱海を復活させた秘策とは?」
観光地熱海の復活劇
成功の秘訣は、狭いエリアに狭めることと述べており、実際、市来氏は熱海銀座商店街を中心に改革しました。
改革の拠点:ゲストハウス マルヤ (https://guesthouse-maruya.jp)
高級旅館やホテルが多く、もともと安い宿泊施設がなかった熱海にカプセルタイプの宿を設立しました。(1泊4000円~)
マルヤ流のグルメ、温泉、観光
・熱海グルメはご近所で→商店街にお金を落としてもらう
朝ごはんのおかずは干物など商店街で買ってもらい、備え付けのグリルで焼けるようにしており、ごはんとみそ汁は300円でついてきます。
・地元の湯をフル活用→商店街の周辺にも波及効果を
マルヤにはシャワーしか設置しておらず、一般の観光客が訪れないような地元に愛される温泉を案内しています。
・観光は穴場スポットへ→穴場の魅力でファンを獲得
ガイドサービスをしていますが、地元の人しか知らないような昔ながらのお店などを紹介しています。
また、宿にはラウンジルームがあり、地元民も参加するイベントを開催したり、イベント後には町に出て食事や飲み会が開かれたりして、地元民と交流ができます。
ホテルはあえて小さくしていて、ごはんや観光などのために町に繰り出してもらう目的があります。宿泊者には、観光とは違う町の使い方してもらうことで、繰り返し来てもらえるような「第2の家」と感じてもらったり、実際に住んでもらえるような効果が出ています。
市来社長の経歴・背景
1979年、熱海に生まれました。
幼少期の熱海の象徴は海沿いに並ぶホテル群で、夜はネオンでギラギラしてにぎやかな街でした。しかし、バブル崩壊により、町が一気に冷え込み、観光客は年々減少し大型ホテルの倒産が相次ぎました。
市来社長は、東京で就職するも、2007年にUターンし町おこし活動を開始しました。
観光協会で聞いたある女性観光客の体験談:町の人におすすめの場所を聞いても、「何もないよ」と言われ、タクシーの運転手にも、旅館の人に聞いても、「何もないよ」と言われて女性観光客は怒って帰っていった。
この話を聞いて、市来社長は、自分でもそんな町は二度と来るかと思いました。それ以降、市来社長は町を歩き、いろんな人と話すことで、住民にとっては当たり前すぎて魅力と気づいてないことやそもそも知らない魅力がたくさんあることを知りました。
そこで、地元の人を対象に温泉の歴史を伝えたり、干物づくり体験など熱海体験ツアーを年間70本以上実施しました。
2011年 マチモリ設立
新しものを作るよりも今あるものの「見せ方」や「届け方」を変えれば、新たなファンができると感じ、さまざまなイベントをうみだしました。
市来社長の今後の戦略
新たな課題も生まれる
「新しい人が外からやってくるが、住む場所がない。」という課題が生まれるものの、イチモリ不動産を立ち上げ、新ビジネスで課題を解決しようとする。
貸そうとしなくなった、だいぶ古くなって使えなくなったビルなどの物件をリフォームし、貸し出すビジネスを
→住みたくなる街に変化させる。
「熱海のようにもともと観光地でない町おこしでも、住民がいかに豊かに暮らしているかが重要。
町の再生で大事なことは、時間がかかるので、じっくりじわじわ変えていくように、やり続ける事。」
市来社長から学べる事
「小さくコツコツと」
最初から、手広く始めず、まずは商店街を豊かにしていくということが現実的で成功の道筋であると感じました。
小さな成功から範囲を広くしたり、新たに出てくる課題を解決するためのビジネスにつなげることがビジネスのモデルケースであるのかなと思いました。
これを見て、次の休みには熱海に行きたいなと思いました。
村上龍「熱海への愛」
熱海に対する愛情があった。
町に閉塞感があり、外の視点を持っている地元の人がかかわるべき。
手軽に利用できる滞在拠点を。
新しいことを起こす、チャレンジする人間をどんどん生み出していくマチモリ。
紹介されたお店
- 熱海プリンカフェ2nd http://2nd.atami-purin.com/
ふろおけに入った牛乳瓶のプリンなど、店の雰囲気が温泉に寄せていて、映えています。
注文されてから作る、栗を11個も使用したモンブランは絶品。
新しい店以外にも…
- 奈良時代から続く干物屋さん https://www.ozawahimonoten.co.jp/
土産用の干物をつまみに飲める、立ち飲み屋さん。
- 熱海 本家ときわぎ https://atami-tokiwagi.com/
和菓子店 立派な店構えで高そうと見られたが、地元民向けツアーで行ってみると実際はリーズナブルとの声。
熱海の勢いを感じて、出店した和食屋さん。400円の豚汁が客の心をつかむ。